ホラーゲーム制作日記(おまけ)

公開4日後にバグが見つかって急いで修正。V1.01に更新。





遂にパッケージ版が“宇宙ゲームストア”で販売されたようだ。
既に3億本以上を売れているらしい。

パッケージ版だがそれは“非物質”で出来ているのだという。
中にはCDの形をしたものが入っていて、
それに触れるとゲームをプレイする為の快適な環境が自動的に出来上がるのだという。

これが宇宙ゲームストアで売られている一般的な形式のゲームであるというから驚きだ。


ナール「それは素晴らしい」

???「当然であろう」


ここで突如として現れたその人物は、やはり宇宙ゲーマーの1人であった。


宇宙人「地球産のフリーゲームはそれなりに人気があるのだよ」

ナール「そうなんですか」


地球産のフリーゲームは一部の物好きな宇宙人に人気があるという。
それは一体何故なのか?


宇宙人「それは私が聞きたい」


人の趣味はそれぞれだという事だろう。
しかしこの宇宙人もまた、現代の地球産フリーゲームに興味を持つ一人であるのは違いない。


ナール「貴方は地球産フリーゲームのどの辺に関心を持っているのですか?」

宇宙人「製作者の個性がドストレートに出てる作品が多いであろう」


なるほどとナール氏は納得する。
確かに多くの作品は製作者のオーラが滲み出ているものだが、
個人で作るフリーゲームでは特にそれが強く出るような気がしないでもない。

そういうのを面白いと感じる物好きな宇宙人がわりといるようだ。


ナール「ところで貴方は何者ですか?」

宇宙人「さぁな、何者なのだろうな」


ここで突如現れたこの宇宙人とナール氏を紹介しよう。


ナールP
みんなのアイドル。ナール。男性。20代前半。

リムP
宇宙人。リム(仮名)。性別不明。年齢不詳。キグヌス座方面出身。



ナール「突如僕の前に現れましたが、一体どういう目的で?」

リム「たまたまだ。特に理由もないが、貴様の話に付き合ってやらん事もないぞ」


そう、ここではナール氏が何かについて語ろうとすると
必ず誰かしらの宇宙人が偶然やってくるという謎の空間なのだ。

その話題によってどういう人物がやってくるのかが変わるらしい。
今回やってきた宇宙人は何処と無く少年っぽい雰囲気を漂わせるが、性別不明であり謎多き人物だ。


ナール「まだ今作“嘆きの楽園”について語りきれてないなと思いまして」

リム「そうか、そのゲーム私はもうクリアしたぞ」

ナール「ありがとうございます」

リム「宇宙全体での話はともかく、ここ地球でのプレイ状況が気になるな。話を聞かせろ」


出身星での話をしようではないか。


ナール「まだ公開してから1週間も経ってないですけどね」


ナール氏はPCを起動すると、ふりーむでのDL状況を示した。


s1.jpg


ナール「まずこれを見てください」

リム「これは、むりーむ!のマイページにある管理画面だな?」

ナール「はい。よく見てみてください」


リム氏は画面を凝視する。そしてある事に気づく。


リム「これは…」


そう、公開して1週間も経っていないというのに、
過去に公開した2作品よりもDL数が上回っているのだ。


ナール「やはりホラーゲームは注目されやすいジャンルなのでしょうか?」

リム「そうだな、ホラーというジャンルの面白さは分かりやすいからな。
   恐怖心という原始的な感覚は万人に共通であるが故に手を出しやすいのだろう」

ナール「なるほど」


ホラー系のフリーゲームが注目されやすい傾向にあるのは確かだ。


ナール「ふりーむには更に詳しくDL状況を表示する
     “ダウンロード解析”というページがありましてね」


ナール氏はそのページを表示する。


s2.jpg


リム「ほう、これは面白いな」

ナール「その結果を良く見ると、公開日当日が一番DLされるようですね。まぁそれは当たり前ですが」


しかし注目するべきはその後だ。
DL数は公開日当日をピークにしばらく下がり続けるが、4日後の17日に何故か再びDL数は上昇している。
これはどういう事なのか?


ナール「17日って金曜日ですよ。祝日でもないはずですが…」

リム「夏休みの開始か、或いはどこかでこのゲームが紹介されたか…また別の理由か」

ナール「17日にV1.01に更新しましたけど、バグを消しただけですし
    それはDL数にそこまでの影響は与えてないと思いますね」

リム「まぁともかく、面白い事に、その17日に過去の他の作品も同時にDLされているではないか」

ナール「新作を公開して、それが過去作の宣伝になるのはお決まり事ですね」


ふりーむにもそう書いてある。

s3.jpg


まぁそこは良いとしよう。


リム「ゲーム公開後にバグが見つかったと聞いたが」

ナール「ええ、そこはゲーム製作者にとって恐ろしい事の1つです」

リム「私は修正後のバージョンをプレイしたから知らんけど、どういうバグだったんだ?」

ナール「本来はテストプレイでのみ表示されるべきものが、普通に表示されてたり
    ステージ移動した時の座標がズレてて本来出るべき場所と違って、結果迷路みたいになってたり」

リム「公開前に十分にテストプレイしたのではないのか?」

ナール「もう嫌という程に……だが見つけられなかった…」


ゲーム公開直前のテストプレイ無限ループというものを、
個人でゲームを作っている人なら大抵が体験しているだろうと予想する。


リム「そのバグを発見したのは、ナールのファン達(宇宙人)だったんだっけ?」

ナール「そうなんです。危うくずっと放置するところでした…彼ら宇宙人には感謝です」


そう、全宇宙に約3億人いるファン達(宇宙人)がすぐに発見し、ナール氏にテレパシーを送っていたのだ。
しかしナール氏がそのテレパシーに気づくのに3日ほど掛かってしまって更新が遅れたというわけだ。


ナール「分かりやすいバグだったのに、地球人達からは誰も報告してくれなかった…」

リム「みんな君ほど暇じゃないのだよ。それに3日じゃ仕方ないだろう。
   1ヶ月とか経ってたら誰かしら親切な人が教えたと思うね」


無事にバグが修正されてv1.01に更新されたわけだが。
それに気づく直接的なものがこれであった。





驚くべき事に、ゲーム公開後すぐに実況プレイ動画がアップされていたのだ。
これにはナール氏も驚きを隠せないでいる。


ナール「自分のゲームの実況プレイ動画が上がってるなんていうのは初めてでしたからね。
    自作ゲームを他人がプレイしてるのを見ると色々と勉強になるんです。
    ここが不親切だったか…とか、次回作に向けての具体的な改良ポイントが見つかるわけです」

リム「そうだな、製作中は一人で黙々とテストプレイするから、
   段々と客観的に見れなくなってくるのは私にも分かる」

ナール「それに自分以外の視点じゃないと中々気づけないところもありますしね」


リアル友達がいる人なら「俺のゲームのプレイ動画を撮ってくれ」とお願いする事も出来るだろう。
しかしナール氏にはそんなリアル友人的な存在は残念ながら1人もいないらしく、
一人でテストプレイするしか無かったという。


リム「フッ、リア充万歳な世の中は、宇宙のどこに行っても同じようなものさ」

ナール「なんという事を教えてくれるんですか……」

リム「だが実況プレイ動画が上がってて良かったじゃないか、
   他にも上がってるのを私が見つけてきてやったぞ」





ナール「おお、一気に2人も!?やはり鬼ごっこホラーというジャンルは強いのか…」

リム「実に面白い話だが、これもバージョンは修正前のV1.00だ」

ナール「なんと」



さて、ここで全宇宙に約3億人いるナール氏のファンから、
「嘆きの楽園のストーリーや世界観を解説してほしい」という要望が数多く寄せられていた。


リム「そもそも今作は、アントン氏の“嘆きの村”の2次創作的なゲームなのだろう?」

ナール「はい。一応ストーリーは繋がっていて、主人公は同一人物のつもりです。
    ですが、あくまでそれは“裏設定”なので特に知らなくても全く問題ありません」

リム「ほう、嘆きの村とはどういうゲームなのだ?」

ナール「トップビュー視点のホラーゲームで、お化けから逃げて、ゴールを見つけるゲームです。
    これもアクションエディター4を創ったアントン様のゲームの1つでして
    この雰囲気がよく気に入ってるというか、私好みなんです」

リム「なるほど、ならパロディーも作ってみたくなるというものだな」

ナール「そうですね」


今作でアントン氏の「嘆きの村」に興味を持った人はさっそくプレイしてみては如何だろうか。
ナール氏はこのゲームをプレイしてインスピレーションを受けたのだそうだ。


ナール「嘆きの村の主人公が“お化けだらけの村”を封印した後、精神的に参ってしまうんです。
    そして人里離れた山で首を吊って自殺してしまうわけです」

リム「それは嘆きの楽園のエンディングで語られていた場面だな?
   主人公はそこで自殺をして、気づいたら見知らぬ館に飛ばされていたわけだ」

ナール「そうです、つまり、自殺したら意味不明な異世界に飛ばされたというわけです」
    通称“楽園”と呼ばれる世界ですね」

リム「そこはこのゲームにおける死後の世界なのか?」

ナール「死後の世界の1つというか、ある条件を満たして自殺した人達が招かれる世界です」


ここで世界観の核心を語るナール氏。


ナール「その世界に飛ばされると、まずは“歓迎者達”がお出迎えに来て
    すぐにその世界の住人になります」

リム「歓迎者達?」

ナール「最初に出てくる赤い服を着た貴族っぽい奴とか、全身が真っ白の奴の事です」


s4.png


リム「なるほど」

ナール「そいつらに大人しく捕まれば、そのまま肉体から解放されるわけですが、
    主人公は逃げまくるわけです。そこで最終的に主人公は人間界への帰還に成功しますが、
    もう既に楽園の住人として目をつけられているわけですから、現実世界に返っても―」

リム「またすぐにあの世界に飛ばされるわけだ」

ナール「寿命で死んでも同じ事です。どう足掻いても絶望」

リム「ホラーゲームらしい世界観ではないか」

ナール「まぁ、正直に言えば、それ以上の細かい設定は作ってないですけどね
    鬼として主人公を追いかけまわる2人のキャラも、そんな深い設定は無いのです」


その世界観はあまり深く考えずに作ったものらしい。
“なんか気持ち悪い世界に来てしまった”的なものが作りたかっただけだとナール氏は語る。


ナール「今後続編を作る時があれば、“楽園とは○○であった”だとか
    “驚愕の事実が次々と明らかに…”とかやるつもりです」

リム「それは後付の設定ってやつだろう」

ナール「はい」

リム「なるほど、大体分かった。」



ストーリーや世界観の説明は大体これで全てのようだが。
そこで、嘆きの楽園に今後“追加要素”はあるのかについて聞いてみるとしよう。


リム「追加要素を作る予定はあるのかね」

ナール「無いです」

リム「全く予定は無いと?」

ナール「全く無いですね。
    バージョンアップをして“別ルート”や“別エンディング”または“裏ボス”
    といった要素を段々と追加していくのも面白そうですけど
    それよりも早く新作を作りたいし、いっそ続編を作ったほうが早い気がしますね」

リム「なるほど、だがこういうタイプのゲームには、青鬼のようにバージョンアップしていく
   のが通例というか、そういうイメージが無い事も無いが」

ナール「ネタならありますけどね、嘆きの楽園の場合だと、例えば
    最初の右側の穴に落ちて、そこである条件が揃うと別ルートに入るだとか。
    鬼に追いかけられている状態で、ある場所に行くとか謎の扉が開いてて
    そこに入ると別エンディングが待っているとか。
    或いは、何も無い不気味な部屋があって、そこで1分以上待ち続けると別の次元に飛ばされるとか」

リム「なるほど多彩ではないか。その全てがあったらやり込み要素満載なゲームになりそうだが」

ナール「ですが余程の事が無い限りは作るつもりは無いです。
    実況プレイをして下さった方の中には、追加要素が出たらやってみたいという意見もあって
    それはとても嬉しく思いますけどね」


追加要素を作る予定は今のところ無く、それよりも新作ゲームを作りたいと言うナール氏。
そこで聞いてみた。次はどういうゲームを作る予定なのか?


リム「で、次はどんなゲームを作るのか決まっているのか?」

ナール「まだ決まってないですね。いくつか候補があるんですけど…」

リム「ほう、どんな候補があるのだ?」

ナール「それは…実際に決めるまで内緒にしておきたいというか……」

リム「ケチくさい奴だ。ファンの数が半分になるぞ」


結局その情報については得る事が出来なかった。
しかし次に何か新作ゲームを作るという事自体は決定しているようだ。

気長にナール氏の新作を待とうではないか。


ナール「本日はありがとうございました」

リム「ふん、私も地球産のフリーゲームを作ってる人と会話できて楽しかったぞ
   またいつでも呼ぶと良い」


リム氏はビュンとワープするようにどこかへと消えていってしまった。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

ナール

Author:ナール
――。

リンク
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
RSSリンクの表示
QRコード
QR